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南方熊楠記念館 設計競技
2003
敷地は田辺市中心街的地域の一角にある当時の面影を色濃く残す住宅街にある。
本計画ではそのような敷地状況をふまえた上で、徒歩の人が気楽に入ってくることができ、また隣接している南方本邸も本計画にとりこめるような、オープンな建物作りを目指している。
デザインモチーフは南方熊楠の手をイメージしている。
その中に、原木の柱(構造)を配置し、南方が守ろうとしてきた林を表現している。
林は彼の研究フィールドでもある。またその手は、田辺の海からはるか遠く外国を見つめる南方の目にかざされた手でもある。
遠くを見つめるまなざしは世界へ開かれた研究所を作ろうとした80年前の南方の精神であり、現代の南方熊楠研究所の変わらぬ理念になるであろう。